[soudan 15982] シンガポール法人が内国法人株式を譲渡する場合の課税関係
2025年11月21日

税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】
国際税務<法人税/消費税>(内藤昌史税理士)

【対象顧客】
法人

【前  提】

現状の資本関係図は、添付した画像の通りです。
なお、当該資本関係は、長期間に渡って、
継続しています。


個人甲・乙・丙は、いずれも夫婦関係ないし
親子関係を有する親族です。


法人Cは、租税特別措置法第40条の4ないし
第66条の6(以下、「CFC税制」といいます。)において、
経済活動基準を満たすことができません。


法人Cは、シンガポールにおいて、
常に租税負担割合が20%未満です。そのため、
法人Cが「外国関係会社」に該当する場合、
「特定外国関係会社」または「対象外国関係会社」の
いずれかに該当し、会社単位で合算課税の対象になるものとします。


法人Cは、X事業年度において、
法人D株式の全部を売却し(以下、「D株式譲渡」
といいます)、譲渡益2,000億円を計上する見込みです。
なお、当該譲渡益2,000億円は、シンガポールの税制上、
法人税の課税対象となりません。

【質  問】
質問①:法人C は「外国関係会社」に該当するか
 CFC税制は、居住者及び内国法人並びに
特殊関係非居住者などが、外国法人株式の50%超を
保有する外国法人を「外国関係会社」と定義し、
合算課税の対象法人と定めています。
上記Ⅰの資本関係を前提とした場合、
法人Cは、個人甲・乙・丙を株主とする
法人A及び法人Bに50%超の株式を
保有されているので(租税特別措置法施行令第25条の
19の2及び同令第39条の14の2にて
「特殊関係非居住者」の定義を確認)、
「外国関係会社」に該当すると判断してよろしいでしょうか。

質問②:法人Aに対するCFC税制の適用関係
 法人Cが「外国関係会社」に該当する前提で質問いたします。

法人Aに対して、CFC税制が適用された場合、

法人CがX事業年度において生じた譲渡益2,000億円のうち、
法人Aが法人C株式を保有する割合となる20%相当額となる400億円を、
X事業年度終了の日の翌日から4月を経過する日において、

法人Aが益金算入するという理解で正しいでしょうか。

質問③:個人甲及び乙に対するCFC税制の適用関係
法人Cが「外国関係会社」に該当する前提で質問いたします。

個人甲及び乙に対して、CFC税制が適用された場合、
法人CがX事業年度において生じた譲渡益2,000億円のうち、

法人Aが法人C株式を保有する割合となる20%相当額となる400億円のうち、
個人甲及び乙が法人A株式を保有する割合となる
20%ないし80%相当額となる金額(個人甲は80億円、個人乙は320億円)を、
X事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日において、

個人甲及び乙が雑所得の総収入金額に算入するという理解で正しいでしょうか。

質問④:日本居住者が内国法人を通して間接的に
外国法人株式を保有する場合のCFC税制
 仮に、質問②と質問③の双方にて、
合算課税が行われる場合、法人CがX事業年度に
おいて生じた譲渡益2,000億円に対して、
二重課税が行われることになり、
このような結論で正しいのか、疑義が生じます。
日本居住者が内国法人を通して間接的に外国法人株式を保有する場合、

外国法人に生じた所得の合算課税は、どのように計算するのか、ご教示ください。

質問⑤:D株式譲渡に対する日本税法の規定
 法人Cが行うD株式譲渡は、
法人税法施行令第178条1項4号ロに定める
「内国法人の特殊関係株主等である外国法人が
行うその内国法人の株式等の譲渡による所得」
として、法人税法138条1項3号に基づく
「国内源泉所得」に該当すると考えて、
差し支えないでしょうか。

質問⑥:D株式譲渡に対する租税条約の
規定及び申告・納税手続き
 法人Cが行うD株式譲渡は、
日星租税条約13条4項(b)に該当するため、
日本による課税権の行使が制約されず、
法人Cは、日本の課税当局に対して、
法人税の申告義務を負うと考えて、
差し支えないでしょうか。
また、法人Cは、日本国内に恒久的施設を有しない場合、

日本国内に居住する納税管理人を選任し、同人を通して、

申告及び納税を行うという理解で正しいでしょうか。

【参考条文・通達・URL等】
本文に記載しました。

【添付資料】
https://kachiel.jp/sharefile/sougosoudan/251121_1.png