税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
相続・贈与税<財産評価>(井上幹康税理士),相続・贈与税<財産評価を含まない>
【対象顧客】
個人
【前 提】
1.事実関係
相続税の申告にあたり、長男と長女で分割協議が整わず
話し合いをしているため未分割で申告を行った。
財産内容
預金 3,000万円
マンションA 財産価格20,000万円、債務の金額10,000万円
マンションB 財産価格9,000万円、債務の金額15,000万円
相続財産 財産合計32,000万円 債務合計25,000万円 相続税320万円
未分割での申告
長男・長女各々 財産価格16,000万円 債務の金額12,500万円 相続税額160万円
*未分割の場合の課税価格の合計額 7,000万円
遺産分割の結果が以下の通り決まった。
長男
預金 3,000万円
マンションA 財産価格20,000万円、債務の金額10,000万円
長女
マンションB 財産価格9,000万円、債務の金額15,000万円
が取得することとなった。
*分割協議による課税価格の合計額 13,000万円
その場合の相続税は
長男 1,360万円
長女 0円
となる。
小規模宅地の特例の適用・不適用にかかわらず、
分割後は課税価格の合計額も全体の税額も増加します。
遺産分割が決まったが、更正の請求(相法32条第1項)および
修正申告(同法第31条)を行わなかった。
その後、税務調査があり3000万の相続財産の漏れが指摘された。
【質 問】
2.質問事項
相続税の申告を遺産分割協議が整わなかったため、
未分割(相法第55条)で申告し、その後遺産分割が決まったが、
更正の請求(相法32条第1項)および修正申告(同法第31条)を行わなかった。
その後の税務調査において、相続財産の申告漏れ等が確認された。
(1)国税通則法第24条に基づく更正の対象となるか?
(2)更正の対象とされた場合の課税計算の基礎は
未分割申告を前提として課税価格を計算するのか?
それとも遺産分割後の課税価格を基礎とするのか?
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3.問題点・見解
税務調査で3000万円の相続財産漏れについて更正されるのか?
(1)未分割の相続財産につき相続税法55条に基づく相続税の申告をしていた者が、
その後の遺産分割により更正の請求(相続税法32条1項1号)をするかどうかは
できる規定であるため、納税者の任意に委ねられている。
また、遺産分割の結果、課税価格及び相続税額が過少となった者についても、
できると規定され、修正申告書提出(相続税法31条)が義務として課されていない。
さらに、遺産分割の結果、課税価格及び相続税額が過少となった者に対する
増額更正処分は、相続税法32条による適法な更正の請求があり、
その更正の請求に対する減額の更正処分をした後でなければ
これをすることができないとされている。(相続税法35条3項)。
そのように解釈すると相続税法による職権による更正はないとしても、
次に通則法24条の更正の規定の検討が必要となる。
(2)①上記3000万円の相続財産の漏れについては、国税通則法24条、
「相続税の納税申告書に記載された課税標準または税額の計算が、
国税に関する法律の規定に従っていなかったもの」として更正の対象となるか?
②仮に更正が行われるとされる場合、その課税計算の基礎は
次のいずれの基準によって行われるのか?
(ア)申告漏れ財産を含め、相続税法第55条に基づく未分割申告書を基礎として
更正計算を行うのか(いわゆる未分割財産としての課税計算)。
(イ)あるいは、調査時点で既に遺産分割が確定していることから、
遺産分割後の各相続人の取得割合に基づいて更正計算を行うのか。
なお、本件事実関係においては、相続人が各1室ずつ取得した場合の
課税価格が13,000万円であり、これに申告漏れ財産3000万円を
加算した額をもって相続税の再計算を行うことになるのか?
(3)土地評価誤りに基づく更正の可否と適用基準
①また、相続財産の申告漏れがある場合には、
国税通則法第24条に基づく更正が可能であると思われるが、
仮に土地の財産評価における造成費等の算定誤りにより、
評価額が上昇し、結果として相続財産が増加する場合にも、
同条の規定により更正が行われ得るのか?
②さらに、その場合においても、前記(2)の取扱い、
すなわち「未分割申告を基礎とするのか」「遺産分割後の割合に基づくのか」
という区分の考え方が適用されると解してよいか?
【参考条文・通達・URL等】
相続税法55条
相続税法31条
相続税法32条
相続税法35条3項
通則法24条
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