税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
国際税務<所得税/相続・贈与税>(金田一喜代美税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
お世話になります。
韓国の法人(非上場)の株式を所有している日本の個人の居住者のご相談です。
令和5年に他事務所で申告済です。
その韓国の法人をA社、日本の個人の居住者を甲とします。
甲のA社株の持株比率は2%です。A社は、業績が良く,株主還元として、
抽選で当選した株主から自己株買いを行う施策を行い、甲は抽選に当たり、
A社に所有株式を譲渡致しました。A社は譲渡にあたり、譲渡代金の
11%の源泉税とその他証券取引税を控除して甲に振込みました。
韓国の税理士事務所で、株式の譲渡代金の精算として、
韓国の税務署に確定申告を行い、差額を納付しております。
日本では甲の個人の確定申告では韓国での株式の譲渡を
みなし配当として織り込んでおります。
その際、日本の確定申告では、韓国で源泉された税額を
外国税額控除として控除しております。例として下記の通りとなります。
【韓国】
株式売買(自己株売買) 1億円
源泉所得税(簡便的に10%としました) 1千万円
確定申告での株式譲渡の申告で差額納付 5百万円
【日本】
1億円をみなし配当で確定申告 外国税額控除として1千万円控除
【質 問】
1.日韓租税条約では、株式の25%以上若しくは5%以上所有するなど
大株主の場合は、日韓租税条約の対象となり、韓国で源泉されたものを
日本で申告の対象とした上で、外国税額控除として控除できると理解しております。
今回、甲の持株比率は2%で大株主ではないので,日韓租税条約の対象では無い、
と理解しております。その理解で合っておりますでしょうか。
2.上記1の理解で合っている場合、その場合、韓国側では甲に対する課税権は無いので、
そもそも、株式売買に伴い、源泉徴収もしくは確定申告の納税は必要なく、
日本で株式の売買に組み込めば良い、という理解で合っていますでしょうか。
今回の場合、韓国で源泉された1千万円と差額納税した5百万円の計1500万円の還付申告
(日本で言うところの更正の請求)をし、日本で外国税額控除をしている
1000万円の修正申告をして1000万円納税、という手続きで合っていますでしょうか。
3.そもそも、日本でみなし配当の申告をして、
韓国では株式の譲渡の申告をしているところが状況を分かりづらくしております。
調べたところ韓国でもみなし配当という制度はあるそうです。
自己株を売却した株主が名簿から消却されていることが前提だそうです。
こちらは問題ないと思います。韓国側でみなし配当として認められるのであれば、
韓国で株式譲渡の申告では無く、みなし配当として修正して貰い、
その税額を日本で外国税額控除として織り込む申告にする、
という方法はあり得ますでしょうか。
4.韓国で株式譲渡の申告をしておりますので、
日本はみなし配当としての申告でなく、株式譲渡(分離)の申告で修正する、
ということは可能なのでしょうか。そもそも国によって、
所得の種類は異なるケ-スはあろうかと存じあげます。
その場合、そもそもどちらの所得に合わすものなのでしょうか。
私自身各国の租税条約に深い知見があるわけでございません。
基本的な考え方だけでも結構ですので、
ご教示頂ければ幸甚でございます。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。
【参考条文・通達・URL等】
1.日韓租税条約と韓国の法人税法の関連規定
日韓租税条約第13条第2項(寡占株主の株式に対する課税原則)によると、
日本法人(譲渡者)で韓国法人が発行した株式(譲渡株式)を譲渡する場合、
その譲渡が下記の全てに該当する場合は韓国で課税されます。
① 所有比率:譲渡者が所有した株式の比率が発行済み株式の25%以上の場合
② 譲渡比率:譲渡株式の比率が発行済み株式の5%以上の場合
日韓租税条約では、株式譲渡所得に対する一般的な課税原則のみを提示しています。
従って、具体的な申告納付方法は、韓国の法人税法に従わなければなりません。
法人税法第98条第1項の本文によると、譲渡者が株式を譲受者に直接譲渡する場合、
譲受者が源泉徴収義務者となり、譲渡対価を支払う際に源泉徴収した後、
源泉徴収日が属する月の翌月10日までに申告納付しなければなりません。
法人税法第98条第1項第5号により源泉徴収税額は以下の算式により計算されます。
源泉徴収税額=MIN[①、②]
① 譲渡価額方式:譲渡価額×11%(地方所得税込み)
② 譲渡差益方式:譲渡差益(譲渡価額-取得価額-費用)×22%(地方所得税込み)
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