[soudan 12498] 共有となっている借地権付分譲マンション敷地の評価について
2025年7月22日

税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】
相続税・贈与含む(井上幹康税理士)

【対象顧客】
個人

【前  提】
土地の上に区分所有マンションが建っており、被相続人はこの土地部分を所有しています。
区分所有権が設定されておらず、いわゆる借地権付きの分譲マンションと考えられます。

◯建物の現状:
・全19部屋のうち14部屋は第三者の所有で、いずれも借地権付で流通しています。
 いずれも建物が建築された昭和44年から数年内に第三者に販売していますが、
 その際の契約書等はなく、当初に借地権付建物として売却したかどうかを示す資料はありません。

・建物所有者が変更になる際は、借地権の名義書き換え料を受け取っています。

・第三者所有分(14部屋)は1部屋につき地代月4,000円、管理費月4,000円、修繕積立金月7,000円を
 管理会社が受領しており、このうち地代月4,000円相当について、土地所有者の代表として
 被相続人の娘が受取っています。娘はそこから固定資産税を支払った残りの7/15を被相続人に送金し、
 被相続人は不動産所得の申告を行っていました。

・残り5部屋のうち、3部屋は被相続人の姪が、2部屋は被相続人の娘が所有しています。
 被相続人・姪・娘の間でこれらに対応する地代のやり取りはなく、権利金相当の支払いはありません。

◯土地の現状
・15分の7が被相続人、15分の7が被相続人の姪、15分の1が被相続人の娘所有となっています。

◯建物・土地の所有状況の経緯
・土地についてはもともと被相続人の父・被相続人の兄・被相続人が1/3ずつ所有しており、
 そこに上記の建物を3名の費用負担で建築し、14部屋については第三者に売却、
 1部屋は父が所有、残り4部屋については父・兄・被相続人が1/3ずつ所有しておりました。

・平成9年に父に相続が発生し、土地の3/15を兄が、2/15を被相続人が取得しました。
 また建物の内父所有分1部屋は兄が、共有となっていた4部屋の内2部屋については父持分を兄が、
 2部屋については父持分を被相続人が取得しました。(この時点での土地と持分は兄が8/15、
 被相続人が7/15、建物1部屋は100%兄、2部屋は兄2/3被相続人1/3、2部屋は兄1/3、被相続人2/3)

・建物の共有状況を解消するため、同じく平成9年に兄と被相続人の共有となっていた建物4部屋について、
 兄が2部屋、被相続人が2部屋になるよう交換を行いました。その際に被相続人が2/3所有していた
 部屋のほうが面積が広かったため、交換契約の中で土地のうち1/15を兄から被相続人に移転しています。
 (この時点での土地持ち分は兄が7/15、被相続人が8/15、建物3部屋を兄所有、2部屋を被相続人が所有)

・平成30年 兄に相続が発生し、上記土地と建物のすべてを姪が取得しました。

・令和3年 被相続人所有の2部屋と土地1/15を娘に売却しました。
 この際は土地の底地価格×1/15と建物の未償却残高を元に売価を算定しているようです。
 土地の1/15を移転した経緯としては、被相続人と娘の間にこの部屋に関する地代の授受を避けたい意向が
 あったことと、上記交換契約の際に土地1/15に関する権利証を保有していたことからこれを利用した、とのことです。

【質  問】
①上記土地について、貸宅地として評価できるか。

②一部を貸宅地として評価する場合、割合の算出はどの様になるか。

③同様に小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地)の対象割合の算出はどの様になるか。


①貸宅地として評価できるか

1.第三者所有の14部屋に対応する土地部分について
借地権付で当初より第三者へ売却され、その後流通していると考えられるため、
貸宅地としての評価となると考えています。 底地代が月4,000円と低額ですが、
これは昭和44年に売り出した当時の相場だと考えられ、その後価格改定を行っていないようです。
現在の土地評価を考えると低額に思えますが、基本的には借地権は被相続人が所有していないため、
貸宅地評価と考えて問題ないでしょうか。

2.被相続人の姪が所有している建物に対応する部分について
被相続人の姪が19部屋のうち3部屋を所有しています。うち2部屋については昭和44年の売り出し時から、
被相続人・被相続人の父・兄が3分の1ずつ所有していたものを、その後相続・交換を経て姪が100%所有となりました。

残り1部屋については父が所有していたものを、2度の相続を経て姪の所有になっています。
そのため、昭和44年当時から今に至るまで、権利金等の授受はないものと考えられます。

また、現在この部屋に対応する分の地代のやり取りはなく、姪は第三者に賃貸して賃料を得ています。
このような場合、被相続人の姪が所有している3部屋に対応する土地部分については、
使用貸借ということで自用地評価になるという理解でよろしいでしょうか。

3.被相続人の娘が所有している建物に対応する部分について
被相続人の娘が19部屋のうち2部屋を所有しています。こちらも上記と同様に、
被相続人・被相続人の父・兄が3分の1ずつ所有していたものを、その後相続・交換を経て
被相続人が100%所有となった後、娘に売却したものです。こちらも昭和44年当時から今に至るまで、権利金

等の授受はないものと考えられます。また、現在この部屋に対応する分の地代のやり取りはなく、

姪は第三者に賃貸して賃料を得ています。

令和3年に売却した際に建物に相当する分として1/15を娘に一緒に売却していますが、
この売却自体は借地権ではなく土地持ち分を売却しているため、被相続人の娘が
所有している2部屋に対応する土地部分については、使用貸借ということで
自用地評価になるという理解でよろしいでしょうか。

②一部貸宅地として評価する場合、割合の算出はどの様になるか

上記①について一部貸宅地、一部自用地評価とする場合、マンション各部屋の専有面積をもとに
【第三者所有の14部屋の専有面積合計/19部屋の専有面積合計】については貸宅地評価、
残りは自用地評価、という解釈でよろしいでしょうか?

③一部貸宅地として評価する場合、小規模宅地等の特例の適用について
上記②と同様に一部貸宅地、一部自用地評価とする場合、第三者所有の
14部屋の専有面積合計/19部屋の専有面積合計】に関して貸付事業用宅地等の
特例の適用があるものとして扱って問題ないでしょうか?

なお、被相続人・娘・姪はそれぞれ別生計です。

地代がやや低額に思えるので、貸付事業として判断してよいかという問題はあるかと思いますが、
昭和44年当時はおそらく実勢価格であったものと思われます。

なお、現在の地代合計は4,000円×14部屋×12で年額672,000円、
土地の固定資産税額は572,800円となっており、建物所有者の変更があると
名義書換料として1部屋につき50万円程度の収入が発生します。

【参考条文・通達・URL等】
No.4613 貸宅地の評価
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4613.htm

【添付資料】
https://kachiel.jp/sharefile/sougosoudan/250722_6.png
https://kachiel.jp/sharefile/sougosoudan/250722_7.png



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