税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
相続税・贈与含む(井上幹康税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
被相続人所有の一筆の土地Xのうえに、被相続人(親)の
居住用家屋A(被相続人所有)と相続人(子)居住用家屋B(相続人所有)の2棟が建っています。
当該土地X及び家屋Aを、家屋Bに居住する相続人(子)が相続しました。
【質 問】
空き家特例について質問させていただけますでしょうか。
土地Xをそれぞれの家屋A、Bの敷地となるよう土地Aと土地Bに分筆して、
家屋Aを取り壊して、土地Aを譲渡した場合、空き家特例は適用可能と考えてよろしいでしょうか?
(一人暮らし、築年月日、相続後家屋Aは利用していないなどの要件は満たしています。)
(「被相続人居住用家屋の敷地等」が一筆の土地を指すのか、
マイホーム特例や小規模宅地等の特例のときのような実質的な敷地の範囲を指すのか、分からなくなってきました。
一筆の土地の単位で見ると、一筆の土地が相続後も相続人の居住の用に供されていることになってしまうのではないかと
思えてきてしまいました。
そうすると、相続前に分筆しておけば、適用可能だった?ということになり、
分筆の有無で結論が変わることになり不合理な気もしており、
また分筆せずに土地X及び家屋Bを同時に売却した場合には土地Xのうち土地B部分にはマイホーム特例が使えると思えるので、
やはり土地A部分のみを「被相続人居住用家屋の敷地等」と考えてよいのでは?など、
少し混乱してきており、ご質問させていただきました。)
よろしくお願いいたします。
【参考条文・通達・URL等】
租税特別措置法第35条第5項において、
「前二項及び次項に規定する被相続人居住用家屋の敷地等とは、
当該相続の開始の直前において当該被相続人居住用家屋の敷地の用に
供されていた土地として政令で定めるもの又は当該土地の上に存する権利をいう。」
とあり、ここでいう前二項は空き家特例の規定(35条3項)を指します。
それで、施行令を見てみますと、第23条第11項の規定が以下のとおりです。
11 法第三十五条第五項に規定する政令で定める土地は、
同項の相続の開始の直前(当該土地が対象従前居住の用に供されていた前項に規定する
家屋の敷地の用に供されていた土地である場合には、特定事由により当該家屋が被相続人の
居住の用に供されなくなる直前。以下この項において同じ。)において前項に規定する
家屋の敷地の用に供されていたと認められるものとする。
この場合において、当該相続の開始の直前において当該土地が
用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地であつた場合には、
当該土地のうち、当該土地の面積に次に掲げる床面積の合計のうちに
第一号に掲げる床面積の占める割合を乗じて計算した面積に係る土地の部分に限るものとする。
一 当該相続の開始の直前における当該土地にあつた前項に規定する家屋の床面積
二 当該相続の開始の直前における当該土地にあつた前項に規定する家屋以外の建築物の床面積
つまり、
「被相続人居住用家屋の敷地等」
=「政令で定めるもの」
=「同項の相続の開始の直前において前項に規定する家屋の
敷地の用に供されていたと認められるもの」
前項の規定は以下のとおりです。
一の構築物に限る(離れ等は含まない)ということが示されています。
10 法第三十五条第五項に規定する政令で定める家屋は、
同項の相続の開始の直前(当該家屋が対象従前居住の用に供されていた家屋である場合には、
特定事由により当該家屋が被相続人の居住の用に供されなくなる直前)において、
被相続人の居住の用に供されていた同項各号に掲げる要件を満たす家屋であつて、
当該被相続人が主としてその居住の用に供していたと認められる一の建築物に限るものとする。
法令には、用途上不可分の二以上の構築物がある場合の規定はあるのですが、
用途上可分の場合の規定がないという状況かと思います。
ないということは、そもそも用途上可分の場合は、
「被相続人居住用家屋の敷地等」に当たらないから説明していないということなのかもしれません。
用途上不可分(母屋と離れなど)の場合は、マイホーム特例(35条1項)の場合は、
面積按分の規定がないため、敷地全体に使えるが、空き家特例の場合は
面積按分の規定があるから母屋に対応する部分しか使えないということも考えると、
ということを考えていましたが、家屋の定義に立ち返ると、
マイホーム特例の場合の家屋の規定は、施行令第23条第1項で準用する、
第20条の3第2項で「一の家屋」となっているため、
空き家特例のときの「一の構築物」と使い方を分けていることに気が付きました。
2 法第三十一条の三第二項第一号に規定する政令で定める家屋は、
個人がその居住の用に供している家屋(当該家屋のうちにその居住の用以外の用に
供している部分があるときは、その居住の用に供している部分に限る。
以下この項において同じ。)とし、その者がその居住の用に供している家屋を二以上有する場合には、
これらの家屋のうち、その者が主としてその居住の用に供していると認められる一の家屋に限るものとする。
そうすると、措置法第35条第5項第3号で定める一人暮らし要件についても
「家屋」という用途上不可分の複数の構築物を指しており、
さらに政令で定めるものについては施行令第23条第10項で「一の構築物に限る」とされています。
5 前二項及び次項に規定する被相続人居住用家屋とは、当該相続の開始の直前において
当該相続又は遺贈に係る被相続人(包括遺贈者を含む。以下この項及び次項において同じ。)の
居住の用(居住の用に供することができない事由として政令で定める事由
(以下この項及び次項において「特定事由」という。)により
当該相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合
(政令で定める要件を満たす場合に限る。)における当該特定事由により
居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用
(第三号において「対象従前居住の用」という。)を含む。)に供されていた
家屋(次に掲げる要件を満たすものに限る。)で政令で定めるものをいい、
前二項及び次項に規定する被相続人居住用家屋の敷地等とは、当該相続の開始の直前において
当該被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地として政令で定めるもの
又は当該土地の上に存する権利をいう。
一 昭和五十六年五月三十一日以前に建築されたこと。
二 建物の区分所有等に関する法律第一条の規定に該当する建物でないこと。
三 当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかつたこと
(当該被相続人の当該居住の用に供されていた家屋が対象従前居住の用に供されていた
家屋である場合には、当該特定事由により当該家屋が居住の用に供されなくなる
直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかつたこと。)。
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