[soudan 21471] 非上場株式の時価算定における純資産価額の基準時と車両の時価評価について
2026年9月10日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
相続・贈与税<株式評価>(武本寛税理士)
【対象顧客】
法人
【前 提】
【顧問先】
・サービス業/非上場の同族会社
・年商2億円前後、純資産1億円前後の規模
・会社規模は中会社
・月次試算表を作成しているが、
月次の締めは翌月中旬〜下旬
【予定している取引】
・決算期末から約6か月後に株式を譲渡予定
・個人株主2名(夫婦)が保有する議決権
約3分の2を、親族が支配する同族法人へ譲渡
(個人 → 法人)
【採用している評価方法】
・会社規模の判定自体は中会社(L=0.60)
・ただし個人から法人への譲渡であるため、
所基通59-6/法基通9-1-14により
- 同族株主の判定は譲渡直前の議決権による
- 譲渡人は中心的な同族株主に該当するため
発行会社は常に「小会社」として計算
(比準価額の斟酌率0.5、
純資産価額の比重0.5)
- 評価差額に対する法人税額等相当額は
控除しない
・直前期末の数値で仮計算を済ませている
【直前期末から課税時期までに見込まれる異動】
① 生命保険の契約者貸付の完済
② その後の金融機関借入の追加
③ 全額損金となる設備投資
④ 通常の営業活動による利益の積上げ
(半期で純資産の約1割に相当)
【車両】
・普通乗用車1台
・定率法により帳簿価額はほぼ0
・初度登録から約6年経過、走行距離約8万km
・中古市場では相応の価値があると見込まれる
【その他】
・生命保険の解約返戻金額証明書が未入手のため、
仮計算では保険積立金を帳簿価額のまま
置いている
【質 問】
【質問1】純資産価額の基準時(仮決算の要否)
(1) 評基通185ただし書および記載方法等にいう
「著しく増減がない」の判断について、
実務上の目安(総資産や純資産に対する
割合など)はありますでしょうか。
(2) 直前期末から課税時期までに見込まれる
下記の異動は、いずれも「著しい増減」に
該当し、仮決算が必要と考えてよいでしょうか。
① 保険契約者貸付の完済
② その後の金融機関借入の追加
③ 全額損金となる設備投資
④ 通常の営業活動による利益の積上げ
(3) ①~③がなく④のみの場合であっても、
仮決算は必要でしょうか。
半期で純資産の約1割の増加が見込まれます。
(4) そもそも月次試算表を作成している会社は
「課税時期における金額が明確でない場合」に
当たらず、直前期末数値の使用は
認められないと考えるべきでしょうか。
【質問2】必要となる決算数値の時点
(1) 決算期末から約6か月後の譲渡を予定して
いますが、月次の締めが翌月中旬〜下旬の
ため、譲渡日時点では直前月の試算表も
確定していない状況です。
(2) 直前月の試算表を基礎とし、翌月1日から
譲渡日までの大口異動のみを加減算する方法で
「課税時期現在の仮決算」として
差し支えないでしょうか。
(3) 上記が認められない場合、譲渡日を
いつに設定するのが実務上妥当でしょうか。
(例:2か月前の試算表が確定する時期に
合わせて譲渡日を設定する、など)
(4) 譲渡時期を先に決めた場合、
いつ時点の決算数値を用意すべきか
ご教示ください。
【質問3】帳簿価額がほぼ0の車両の時価評価
(1) 保有車両のうち1台は定率法により帳簿価額が
ほぼ0ですが、中古市場では相応の価値が
あると見込まれます。
(初度登録から約6年、走行約8万km)
(2) インターネットの中古車情報サイトで
同車種・同年式・同程度の走行距離の
販売価格を調べ、これを評基通129の
「売買実例価額」または「精通者意見価格」
として採用してよいでしょうか。
(3) 中古車情報サイトの価格は業者マージンを
含む小売価格ですが、そのまま採用すると
過大評価になりませんでしょうか。
買取業者の査定書を取得すべきでしょうか。
(4) 評基通130(同種同規格の新品小売価額から
償却費を控除する方法)によることも
考えられますが、どちらを優先すべきか
ご教示ください。
(5) 税務調査を想定した場合、根拠資料として
どの程度の疎明が必要でしょうか。
(複数サイトの価格帯の画面出力、
買取業者の査定書、レッドブック等)
【補足】
本件は譲受人が法人であり、法法22条2項の
受贈益にしきい値がないため、時価を下回る
価額での譲渡は差額全額が益金となります。
そのため時価の算定根拠を慎重に固めたく、
ご相談する次第です。
【参考条文・通達・URL等】
【純資産価額の基準時】
・財産評価基本通達185(純資産価額)ただし書
・「取引相場のない株式(出資)の評価明細書の
記載方法等」第5表の記載方法
「課税時期における各資産及び各負債の金額が
明確でない場合において、直前期末から課税時期
までの間に資産及び負債について著しく増減が
ないため評価額の計算に影響が少ないと
認められるときは、直前期末における各資産及び
各負債の金額によることとして差し支えない」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/901227/07.pdf
・財産評価基本通達186(純資産価額計算上の負債)
(1) 課税時期の属する事業年度に係る法人税額等の
うち、事業年度開始の日から課税時期までの期間に
対応する金額(未払いのものに限る)
【車両(一般動産)の評価】
・財産評価基本通達128(動産の評価単位)
・財産評価基本通達129(一般動産の評価)
「売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価」
・財産評価基本通達130(一般動産の評価-
償却費の額の計算)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/06/01.htm
【個人→法人譲渡の時価】
・所得税基本通達59-6
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/12/02.htm
・法人税基本通達9-1-14
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_01_03.htm
・財産評価基本通達178・179・180・188(2)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/08/04.htm
・最高裁令和2年3月24日判決を受けた
令和2年8月28日付課個2-19ほかによる改正
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/200821/pdf/01.pdf
【生命保険】
・財産評価基本通達214
(生命保険契約に関する権利の評価)
・国税庁タックスアンサー No.4660
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4660.htm
【低額譲渡・受贈益】
・所得税法59条1項2号、所得税法施行令169条
・法人税法22条2項
・相続税法9条、相続税法基本通達9-2
下記について教えて下さい。
【税 目】
相続・贈与税<株式評価>(武本寛税理士)
【対象顧客】
法人
【前 提】
【顧問先】
・サービス業/非上場の同族会社
・年商2億円前後、純資産1億円前後の規模
・会社規模は中会社
・月次試算表を作成しているが、
月次の締めは翌月中旬〜下旬
【予定している取引】
・決算期末から約6か月後に株式を譲渡予定
・個人株主2名(夫婦)が保有する議決権
約3分の2を、親族が支配する同族法人へ譲渡
(個人 → 法人)
【採用している評価方法】
・会社規模の判定自体は中会社(L=0.60)
・ただし個人から法人への譲渡であるため、
所基通59-6/法基通9-1-14により
- 同族株主の判定は譲渡直前の議決権による
- 譲渡人は中心的な同族株主に該当するため
発行会社は常に「小会社」として計算
(比準価額の斟酌率0.5、
純資産価額の比重0.5)
- 評価差額に対する法人税額等相当額は
控除しない
・直前期末の数値で仮計算を済ませている
【直前期末から課税時期までに見込まれる異動】
① 生命保険の契約者貸付の完済
② その後の金融機関借入の追加
③ 全額損金となる設備投資
④ 通常の営業活動による利益の積上げ
(半期で純資産の約1割に相当)
【車両】
・普通乗用車1台
・定率法により帳簿価額はほぼ0
・初度登録から約6年経過、走行距離約8万km
・中古市場では相応の価値があると見込まれる
【その他】
・生命保険の解約返戻金額証明書が未入手のため、
仮計算では保険積立金を帳簿価額のまま
置いている
【質 問】
【質問1】純資産価額の基準時(仮決算の要否)
(1) 評基通185ただし書および記載方法等にいう
「著しく増減がない」の判断について、
実務上の目安(総資産や純資産に対する
割合など)はありますでしょうか。
(2) 直前期末から課税時期までに見込まれる
下記の異動は、いずれも「著しい増減」に
該当し、仮決算が必要と考えてよいでしょうか。
① 保険契約者貸付の完済
② その後の金融機関借入の追加
③ 全額損金となる設備投資
④ 通常の営業活動による利益の積上げ
(3) ①~③がなく④のみの場合であっても、
仮決算は必要でしょうか。
半期で純資産の約1割の増加が見込まれます。
(4) そもそも月次試算表を作成している会社は
「課税時期における金額が明確でない場合」に
当たらず、直前期末数値の使用は
認められないと考えるべきでしょうか。
【質問2】必要となる決算数値の時点
(1) 決算期末から約6か月後の譲渡を予定して
いますが、月次の締めが翌月中旬〜下旬の
ため、譲渡日時点では直前月の試算表も
確定していない状況です。
(2) 直前月の試算表を基礎とし、翌月1日から
譲渡日までの大口異動のみを加減算する方法で
「課税時期現在の仮決算」として
差し支えないでしょうか。
(3) 上記が認められない場合、譲渡日を
いつに設定するのが実務上妥当でしょうか。
(例:2か月前の試算表が確定する時期に
合わせて譲渡日を設定する、など)
(4) 譲渡時期を先に決めた場合、
いつ時点の決算数値を用意すべきか
ご教示ください。
【質問3】帳簿価額がほぼ0の車両の時価評価
(1) 保有車両のうち1台は定率法により帳簿価額が
ほぼ0ですが、中古市場では相応の価値が
あると見込まれます。
(初度登録から約6年、走行約8万km)
(2) インターネットの中古車情報サイトで
同車種・同年式・同程度の走行距離の
販売価格を調べ、これを評基通129の
「売買実例価額」または「精通者意見価格」
として採用してよいでしょうか。
(3) 中古車情報サイトの価格は業者マージンを
含む小売価格ですが、そのまま採用すると
過大評価になりませんでしょうか。
買取業者の査定書を取得すべきでしょうか。
(4) 評基通130(同種同規格の新品小売価額から
償却費を控除する方法)によることも
考えられますが、どちらを優先すべきか
ご教示ください。
(5) 税務調査を想定した場合、根拠資料として
どの程度の疎明が必要でしょうか。
(複数サイトの価格帯の画面出力、
買取業者の査定書、レッドブック等)
【補足】
本件は譲受人が法人であり、法法22条2項の
受贈益にしきい値がないため、時価を下回る
価額での譲渡は差額全額が益金となります。
そのため時価の算定根拠を慎重に固めたく、
ご相談する次第です。
【参考条文・通達・URL等】
【純資産価額の基準時】
・財産評価基本通達185(純資産価額)ただし書
・「取引相場のない株式(出資)の評価明細書の
記載方法等」第5表の記載方法
「課税時期における各資産及び各負債の金額が
明確でない場合において、直前期末から課税時期
までの間に資産及び負債について著しく増減が
ないため評価額の計算に影響が少ないと
認められるときは、直前期末における各資産及び
各負債の金額によることとして差し支えない」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/901227/07.pdf
・財産評価基本通達186(純資産価額計算上の負債)
(1) 課税時期の属する事業年度に係る法人税額等の
うち、事業年度開始の日から課税時期までの期間に
対応する金額(未払いのものに限る)
【車両(一般動産)の評価】
・財産評価基本通達128(動産の評価単位)
・財産評価基本通達129(一般動産の評価)
「売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価」
・財産評価基本通達130(一般動産の評価-
償却費の額の計算)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/06/01.htm
【個人→法人譲渡の時価】
・所得税基本通達59-6
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/12/02.htm
・法人税基本通達9-1-14
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_01_03.htm
・財産評価基本通達178・179・180・188(2)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/08/04.htm
・最高裁令和2年3月24日判決を受けた
令和2年8月28日付課個2-19ほかによる改正
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/200821/pdf/01.pdf
【生命保険】
・財産評価基本通達214
(生命保険契約に関する権利の評価)
・国税庁タックスアンサー No.4660
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4660.htm
【低額譲渡・受贈益】
・所得税法59条1項2号、所得税法施行令169条
・法人税法22条2項
・相続税法9条、相続税法基本通達9-2
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