[soudan 21418] 日本居住者が米国スタートアップから時価で取得する譲渡制限付株式の課税関係(所令84条1項2号の該当性)について
2026年9月10日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税 目】
所得税<申告所得税・源泉所得税>(山形富夫税理士),所得税<譲渡所得>(石田一弘税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
1.日本居住者である個人Aは、米国デラウェア州法人X社
(未上場・売上ゼロ・外部資金調達前)に共同創業者
(肩書:Co-Founder & Chief Strategy and Product Officer)として参画し、
業務はすべて日本国内で行います。X社との関係は独立契約者(業務委託)であり、
当面、現金報酬の支払いはありません。
2.Aは、Restricted Stock Purchase Agreement(株式購入契約)に基づき、
X社普通株式426,167株(発行済株式の12.5%相当)を
1株$0.00001・総額$4.26で現金購入します(送金記録を保管予定)。
同契約書には、当該購入価額が「取得日時点の普通株式の時価であると
取締役会が誠実に認定した価額」である旨が明記されています。
3.株式には譲渡制限が付されており、Aの役務提供関係が終了した場合、
未解除分(Unvested Shares)はX社が取得原価($0.00001/株)で
買い戻す権利を有します。制限は取得後約4年間で段階的に解除されます
(初回解除は取得の約2か月後)。無償取得(没収)条項ではなく、
取得原価による買戻条項です。
4.別途締結するFounder Agreementの第3条は「Compensation(報酬)」
という見出しの下で本株式の発行を定めています。
株式以外の報酬はなく、将来の資金調達完了後に
雇用契約(現金給与あり)へ移行する予定です。
5.Aは米国IRSに対し83(b) electionを提出予定です
(時価$4.26・支払額$4.26・所得ゼロとして申告)。
6.当方は、本件を「時価による株式の取得」として
取得時・制限解除時に課税なし、将来の売却時に
譲渡所得(一般株式等・取得費$4.26の円換算額)として
申告する整理を検討しています。
【質 問】
(1)基本的な課税整理について
本件株式は、取得日時点の時価(取締役会認定額)を全額現金で払い込んで
取得するものであるため、所得税法36条2項の経済的利益は生じず、
取得時・譲渡制限解除時のいずれにおいても課税はなく、
将来の売却時に譲渡所得として課税されるという整理でよろしいでしょうか。
(2)所令84条1項2号(実質的に役務の対価と認められるもの)の該当性について
本件株式は現金による払込みがあるため同項1号(報酬債権の給付と引換えの交付)
には該当しないと考えますが、①Founder Agreementが「Compensation」の
見出しで株式発行を定めていること、②株式以外の報酬がないこと、
③譲渡制限の解除が役務提供の継続に連動していることから、
同項2号の「実質的に当該役務の提供の対価と認められるもの」に該当し、
特定譲渡制限付株式として各解除日の時価で給与課税されるリスクを
どの程度見込むべきでしょうか。
当方としては、同号は無償又は低額で「交付」される株式(外国親会社RSU等)を
捕捉する趣旨であり、取得日時価の全額を現金で払い込んだ真正な売買には、
役務の対価として供与された経済的利益が存在しないため該当しない、
と整理できると考えておりますが、この理解の当否をご教示ください。
(3)時価の立証について
仮に(2)の整理が認められるとしても、その前提は
「取得日の時価=$0.00001/株」の立証にあると考えています。
設立初期(売上ゼロ・調達前)の米国未上場法人の普通株式について、
税務調査においてこの時価が争われた場合に有効な疎明資料として、
①時価を認定した取締役会決議書、②他の創業者が同時期・同価格で
取得した事実(Cap Table)、③取得日時点の財務状況資料、
④取得後の資金調達における優先株式の発行条件、
⑤83(b)提出控え——を想定していますが、
過不足や、実務上特に重視される資料があればご教示ください。
(4)実務経験・同種事例について
日本居住者が米国未上場スタートアップの創業者株式
(vesting条項付き・額面取得)を取得した事案について、
調査で帰属・課税時期・時価が問題とされた事例、
あるいは問題なく売却時課税で申告された実務例を
ご存知でしたらご教示ください。あわせて、契約締結前の時点で
講じておくべき対応(契約書の文言修正等)について
実務上の推奨があればお願いします。
【参考条文・通達・URL等】
○ 所得税法36条2項(経済的利益の価額=取得・享受時の価額)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
○ 所得税法施行令84条1項
(特定譲渡制限付株式:収入金額は「譲渡についての
制限が解除された日における価額」。要件=1号
「役務の提供の対価として…生ずる債権の給付と引換えに…交付」
/2号「前号に掲げるもののほか、…実質的に当該役務の提供の
対価と認められるものであること」)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000096
○ 法人税法54条1項(譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例・同旨の2要件)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034
下記について教えて下さい。
【税 目】
所得税<申告所得税・源泉所得税>(山形富夫税理士),所得税<譲渡所得>(石田一弘税理士)
【対象顧客】
個人
【前 提】
1.日本居住者である個人Aは、米国デラウェア州法人X社
(未上場・売上ゼロ・外部資金調達前)に共同創業者
(肩書:Co-Founder & Chief Strategy and Product Officer)として参画し、
業務はすべて日本国内で行います。X社との関係は独立契約者(業務委託)であり、
当面、現金報酬の支払いはありません。
2.Aは、Restricted Stock Purchase Agreement(株式購入契約)に基づき、
X社普通株式426,167株(発行済株式の12.5%相当)を
1株$0.00001・総額$4.26で現金購入します(送金記録を保管予定)。
同契約書には、当該購入価額が「取得日時点の普通株式の時価であると
取締役会が誠実に認定した価額」である旨が明記されています。
3.株式には譲渡制限が付されており、Aの役務提供関係が終了した場合、
未解除分(Unvested Shares)はX社が取得原価($0.00001/株)で
買い戻す権利を有します。制限は取得後約4年間で段階的に解除されます
(初回解除は取得の約2か月後)。無償取得(没収)条項ではなく、
取得原価による買戻条項です。
4.別途締結するFounder Agreementの第3条は「Compensation(報酬)」
という見出しの下で本株式の発行を定めています。
株式以外の報酬はなく、将来の資金調達完了後に
雇用契約(現金給与あり)へ移行する予定です。
5.Aは米国IRSに対し83(b) electionを提出予定です
(時価$4.26・支払額$4.26・所得ゼロとして申告)。
6.当方は、本件を「時価による株式の取得」として
取得時・制限解除時に課税なし、将来の売却時に
譲渡所得(一般株式等・取得費$4.26の円換算額)として
申告する整理を検討しています。
【質 問】
(1)基本的な課税整理について
本件株式は、取得日時点の時価(取締役会認定額)を全額現金で払い込んで
取得するものであるため、所得税法36条2項の経済的利益は生じず、
取得時・譲渡制限解除時のいずれにおいても課税はなく、
将来の売却時に譲渡所得として課税されるという整理でよろしいでしょうか。
(2)所令84条1項2号(実質的に役務の対価と認められるもの)の該当性について
本件株式は現金による払込みがあるため同項1号(報酬債権の給付と引換えの交付)
には該当しないと考えますが、①Founder Agreementが「Compensation」の
見出しで株式発行を定めていること、②株式以外の報酬がないこと、
③譲渡制限の解除が役務提供の継続に連動していることから、
同項2号の「実質的に当該役務の提供の対価と認められるもの」に該当し、
特定譲渡制限付株式として各解除日の時価で給与課税されるリスクを
どの程度見込むべきでしょうか。
当方としては、同号は無償又は低額で「交付」される株式(外国親会社RSU等)を
捕捉する趣旨であり、取得日時価の全額を現金で払い込んだ真正な売買には、
役務の対価として供与された経済的利益が存在しないため該当しない、
と整理できると考えておりますが、この理解の当否をご教示ください。
(3)時価の立証について
仮に(2)の整理が認められるとしても、その前提は
「取得日の時価=$0.00001/株」の立証にあると考えています。
設立初期(売上ゼロ・調達前)の米国未上場法人の普通株式について、
税務調査においてこの時価が争われた場合に有効な疎明資料として、
①時価を認定した取締役会決議書、②他の創業者が同時期・同価格で
取得した事実(Cap Table)、③取得日時点の財務状況資料、
④取得後の資金調達における優先株式の発行条件、
⑤83(b)提出控え——を想定していますが、
過不足や、実務上特に重視される資料があればご教示ください。
(4)実務経験・同種事例について
日本居住者が米国未上場スタートアップの創業者株式
(vesting条項付き・額面取得)を取得した事案について、
調査で帰属・課税時期・時価が問題とされた事例、
あるいは問題なく売却時課税で申告された実務例を
ご存知でしたらご教示ください。あわせて、契約締結前の時点で
講じておくべき対応(契約書の文言修正等)について
実務上の推奨があればお願いします。
【参考条文・通達・URL等】
○ 所得税法36条2項(経済的利益の価額=取得・享受時の価額)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
○ 所得税法施行令84条1項
(特定譲渡制限付株式:収入金額は「譲渡についての
制限が解除された日における価額」。要件=1号
「役務の提供の対価として…生ずる債権の給付と引換えに…交付」
/2号「前号に掲げるもののほか、…実質的に当該役務の提供の
対価と認められるものであること」)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000096
○ 法人税法54条1項(譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例・同旨の2要件)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034
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