[soudan 21036] 株式交換直後の配当還元方式の基礎とする配当金額について
2026年8月13日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

相続・贈与税<財産評価>(井上幹康税理士)

【対象顧客】

個人

【前  提】

被相続人A氏は、もともと非上場の事業会社(甲社)の株式を保有していた。

甲社は、毎期継続して普通配当を実施していた
(特別配当・記念配当等の非経常的な配当はなし)。

甲社は、株式交換により乙社の100%子会社となり、
A氏は持株数に応じて按分的に乙社株式の交付を受けた。

乙社の最初の決算期(1期目)のあとに普通配当が実施された。

その配当実施から数か月後、乙社の2期目の
途中でA氏が死亡し、相続が開始した。

A氏は乙社の少数株主であり、同族株主等には該当せず、
配当還元方式の適用要件を充足する。

A氏は甲社・乙社の役員や株主ではなく、
両社の意思決定に影響を及ぼすこともない。
株式交換はA氏の意向とは関係なく、
別で存在する支配株主の意思決定により実施されたものである。

【質  問】

配当還元方式の年配当金額の算定にあたり、
発行会社である乙社自身の配当実績のみを
用いて計算すればよいでしょうか。

それとも、甲社の、再編前における配当実績も、
直前々期の配当金額に含めて算定する必要があるでしょうか。

甲社と乙社は別法人格である一方、
株主構成には実質的な連続性がある(全株主が
按分的にそのまま乙社株主となっている)点は、
判断に影響するでしょうか。

結局、甲社は乙社の100%子会社となっており、
既存甲社株主がそのまま乙社株主となっているので、
甲社と乙社は別法人ではあるものの、
甲社保有の継続性という観点からは、
甲社と乙社の配当実績をあわせて評価しないと、
仮に株式交換を行わずに甲社を直接継続して
保有し続けた場合との公平性が保てないと考えられますが、
財産評価基本通達にはこのような場合の取扱いが
明確に規定されていないと思われるため、
質問させていただきました。

なお、会社法・私法上は、株式交換により
甲社株式を対価として乙社株式という
別法人の新たな株式を取得しており、
所有の同一性・継続性は本来否定されるものと理解しています。

その一方で、本件株式交換が法人税法上の
適格株式交換に該当する場合、株主の譲渡損益は繰り延べられ、
旧株(甲社株式)の取得費が新株(乙社株式)に引き継がれる
取扱いとなります。

この課税繰延べの取扱い(適格・非適格の区分)は、
上記の配当実績の算定範囲の判断に、
何らかの形で影響を及ぼす余地があるのでしょうか。
それとも、この取扱いは
譲渡所得課税の計算に限定された技術的なものであり、
財産評価基本通達上の判断には影響しないと考えてよいのでしょうか。

【参考条文・通達・URL等】

財産評価基本通達188-2(同族株主以外の株主等が取得した株式の評価)
財産評価基本通達189(4)(特定の評価会社の株式)
財産評価基本通達189-4(土地保有特定会社の株式又は開業後3年未満の会社等の株式の評価)



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