[soudan 21020] 参加型A種優先株式の普通株式への転換に係るみなし贈与課税と株式評価
2026年8月18日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。
【税目】法人税,相続・贈与税<財産評価を含まない>
【対象顧客】法人
【前提】
非上場の株式会社で、普通株式とA種優先株式を発行しています。
A種優先株式の内容は次のとおりです。
• 剰余金の配当 普通株主に先立ち、1株につき払込金額に一定率を乗じた額を支払う。
非累積で、支払われなかった年の不足額は翌年以降に繰り越さない
• 残余財産の分配 普通株主に先立ち、1株につき払込金額と同額を支払う
• 上記の優先配当・優先分配を受けた後、なお残余があるときは、
普通株式と同順位で分配にも参加する(参加型)
•議決権 制限なし。普通株式と同じ
•譲渡制限 普通株式と同じ
•取得請求権 いつでも普通株式への転換を請求できる
• 事業の全部または実質的に全部を第三者に移転した場合には、
金銭による買取りを請求できる
参加型であるため、A種優先株式はどの局面でも
普通株式より有利な内容になっています。
株式の分割・併合はなく、転換価額を引き下げる事由も生じていないため、
転換によって交付される普通株式の数は転換前のA種優先株式の数と同じです。
転換の前後で発行済株式の総数と議決権の総数は変わりません。
A種優先株式はもともと外部の事業会社が引き受けたものですが、
その後、代表者が個人でその全部を買い取りました。
現在は代表者が発行済株式のほとんどを保有し、
少数株主として代表者の親族、国外に居住する
個人、資本関係のない法人が残っています。
会社は設立以来赤字で、配当を行ったことがありません。
純資産はプラスですが、剰余金の額はごくわずかで、
当面配当を行う見込みもありません。
次回の資金調達に備えて資本構成を整理するため、
代表者が取得請求権を行使し、保有するA種優先株式の全部を
普通株式に転換することを検討しています。
会社が交付するのは普通株式のみで、金銭その他の資産の交付はありません。
【質 問】
1.みなし贈与に当たるか
代表者が対価を受けずに優先権を手放すことで、
残る少数株主の普通株式の価値が上がると考えられます。
相続税法9条のみなし贈与に当たるでしょうか。
相続税法基本通達9-2が掲げるのはいずれも会社に対する行為で、株
主が自らの取得請求権を行使して株式の種類を変える行為は
含まれていないように読めます。
次のように分かれるかと思いますが、どれによるべきでしょうか。
•考え方①
相続税法9条本文の包括規定の適用として、みなし贈与に当たる。
•考え方②
当たらない。転換はもともと株式の内容として定められた権利の行使にすぎず、
他の株主も当初からその可能性を織り込んだうえで株式を取得しているため、
新たに利益を与えたとはいえない。
• 考え方③
当たり得るが、後記2のとおり評価通達上は増加額が算出されないため、
結局のところ課税は生じない。
2.「利益の価額」の算定
財産評価基本通達では、純資産価額方式は純資産を発行済株式数で
除するだけで優先権を反映しません。
また無配のため、類似業種比準方式の1株当たりの配当金額も、
配当還元方式の年配当金額も、転換の前後で変わりません。
•考え方①
評価通達どおりに計算し、増加額は算出されない。したがって課税価格が立たない。
• 考え方②
評価通達6項により、通達によらず個別に評価する。
優先権の経済的価値を織り込んで差額を算定する。
•考え方③
評価通達の枠内で修正計算を行う。転換前のA種優先株式を
「優先分配額+残余の按分額」、普通株式を「残余の按分額」として計算し、
転換前後の差を利益とする。
3.優先配当を手放す部分の評価
残余財産の優先分配とは別に、優先配当を手放す部分についても
価値の移転があると考えられます。
•考え方①
非累積であり、赤字が続き、配当の原資もほとんどないことから、
価値はゼロないしごく小さいものとして扱う。
•考え方②
将来の配当可能性を織り込んだ現在価値を算定する。
•考え方③
評価通達は配当優先の有無を反映しないため、そもそもこの論点は生じない。
4.代表者の親族の評価方式
少数株主のうち代表者の親族については、次のように整理しています。
誤りや例外がありましたらご指摘ください。
• その親族が代表者の配偶者・直系血族・兄弟姉妹・1親等の姻族に当たる場合は、
代表者の議決権がその者のグループに算入されるため
評価通達188条(2)の中心的な同族株主に該当し、原則的評価方式による。
•それ以外の親族(おじ・おば・いとこなど)の場合は、
その者のグループだけでは議決権が足りず中心的な同族株主に当たらないため、
議決権が5%未満で役員でもなければ配当還元方式による。
5.法人株主の取扱い
少数株主のうち法人については、贈与税の納税義務者が個人に限られるため
贈与税は課されないと考えています。法人税についてはいかがでしょうか。
•考え方①
保有株式の含み益が増えるだけで取引がないため、益金は生じない。
•考え方②
他の株主からの経済的利益の供与として、受贈益を認識する。
•考え方③
法人には課税されないが、その法人の背後の個人株主に
相続税法基本通達9-2の考え方が及ぶ余地がある。
【参考条文・通達・URL等】
相続税法9条・22条・1条の4/相続税法基本通達9-1・9-2/財産評価基本通達6・180・183・185・188・188-2/「種類株式の評価について(情報)」(平成19年3月9日)
下記について教えて下さい。
【税目】法人税,相続・贈与税<財産評価を含まない>
【対象顧客】法人
【前提】
非上場の株式会社で、普通株式とA種優先株式を発行しています。
A種優先株式の内容は次のとおりです。
• 剰余金の配当 普通株主に先立ち、1株につき払込金額に一定率を乗じた額を支払う。
非累積で、支払われなかった年の不足額は翌年以降に繰り越さない
• 残余財産の分配 普通株主に先立ち、1株につき払込金額と同額を支払う
• 上記の優先配当・優先分配を受けた後、なお残余があるときは、
普通株式と同順位で分配にも参加する(参加型)
•議決権 制限なし。普通株式と同じ
•譲渡制限 普通株式と同じ
•取得請求権 いつでも普通株式への転換を請求できる
• 事業の全部または実質的に全部を第三者に移転した場合には、
金銭による買取りを請求できる
参加型であるため、A種優先株式はどの局面でも
普通株式より有利な内容になっています。
株式の分割・併合はなく、転換価額を引き下げる事由も生じていないため、
転換によって交付される普通株式の数は転換前のA種優先株式の数と同じです。
転換の前後で発行済株式の総数と議決権の総数は変わりません。
A種優先株式はもともと外部の事業会社が引き受けたものですが、
その後、代表者が個人でその全部を買い取りました。
現在は代表者が発行済株式のほとんどを保有し、
少数株主として代表者の親族、国外に居住する
個人、資本関係のない法人が残っています。
会社は設立以来赤字で、配当を行ったことがありません。
純資産はプラスですが、剰余金の額はごくわずかで、
当面配当を行う見込みもありません。
次回の資金調達に備えて資本構成を整理するため、
代表者が取得請求権を行使し、保有するA種優先株式の全部を
普通株式に転換することを検討しています。
会社が交付するのは普通株式のみで、金銭その他の資産の交付はありません。
【質 問】
1.みなし贈与に当たるか
代表者が対価を受けずに優先権を手放すことで、
残る少数株主の普通株式の価値が上がると考えられます。
相続税法9条のみなし贈与に当たるでしょうか。
相続税法基本通達9-2が掲げるのはいずれも会社に対する行為で、株
主が自らの取得請求権を行使して株式の種類を変える行為は
含まれていないように読めます。
次のように分かれるかと思いますが、どれによるべきでしょうか。
•考え方①
相続税法9条本文の包括規定の適用として、みなし贈与に当たる。
•考え方②
当たらない。転換はもともと株式の内容として定められた権利の行使にすぎず、
他の株主も当初からその可能性を織り込んだうえで株式を取得しているため、
新たに利益を与えたとはいえない。
• 考え方③
当たり得るが、後記2のとおり評価通達上は増加額が算出されないため、
結局のところ課税は生じない。
2.「利益の価額」の算定
財産評価基本通達では、純資産価額方式は純資産を発行済株式数で
除するだけで優先権を反映しません。
また無配のため、類似業種比準方式の1株当たりの配当金額も、
配当還元方式の年配当金額も、転換の前後で変わりません。
•考え方①
評価通達どおりに計算し、増加額は算出されない。したがって課税価格が立たない。
• 考え方②
評価通達6項により、通達によらず個別に評価する。
優先権の経済的価値を織り込んで差額を算定する。
•考え方③
評価通達の枠内で修正計算を行う。転換前のA種優先株式を
「優先分配額+残余の按分額」、普通株式を「残余の按分額」として計算し、
転換前後の差を利益とする。
3.優先配当を手放す部分の評価
残余財産の優先分配とは別に、優先配当を手放す部分についても
価値の移転があると考えられます。
•考え方①
非累積であり、赤字が続き、配当の原資もほとんどないことから、
価値はゼロないしごく小さいものとして扱う。
•考え方②
将来の配当可能性を織り込んだ現在価値を算定する。
•考え方③
評価通達は配当優先の有無を反映しないため、そもそもこの論点は生じない。
4.代表者の親族の評価方式
少数株主のうち代表者の親族については、次のように整理しています。
誤りや例外がありましたらご指摘ください。
• その親族が代表者の配偶者・直系血族・兄弟姉妹・1親等の姻族に当たる場合は、
代表者の議決権がその者のグループに算入されるため
評価通達188条(2)の中心的な同族株主に該当し、原則的評価方式による。
•それ以外の親族(おじ・おば・いとこなど)の場合は、
その者のグループだけでは議決権が足りず中心的な同族株主に当たらないため、
議決権が5%未満で役員でもなければ配当還元方式による。
5.法人株主の取扱い
少数株主のうち法人については、贈与税の納税義務者が個人に限られるため
贈与税は課されないと考えています。法人税についてはいかがでしょうか。
•考え方①
保有株式の含み益が増えるだけで取引がないため、益金は生じない。
•考え方②
他の株主からの経済的利益の供与として、受贈益を認識する。
•考え方③
法人には課税されないが、その法人の背後の個人株主に
相続税法基本通達9-2の考え方が及ぶ余地がある。
【参考条文・通達・URL等】
相続税法9条・22条・1条の4/相続税法基本通達9-1・9-2/財産評価基本通達6・180・183・185・188・188-2/「種類株式の評価について(情報)」(平成19年3月9日)
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