[soudan 20858] TikTokライブ配信報酬の収益帰属と、役員兼配信者へ支払う報酬の外注費処理の可否
2026年8月06日
税務相互相談会の皆さん
下記について教えて下さい。

【税  目】

法人税,所得税<申告所得税・源泉所得税>(山形富夫税理士),消費税(金井恵美子税理士)

【対象顧客】

法人

【前  提】

1. 法人の概要
甲社(株式会社、設立2期目)。
SNS運用代行・ライブ配信事務所を営む取締役3名。
うちZ氏(代取)、U氏(TikTok配信者兼ねる)、L氏。
全員「役員報酬」名目の報酬を受け取っておらず、
甲社の会計では「役員報酬」が計上されていない。

株主構成:Z氏1株、U氏1株、L氏1株、S氏3株(計6株)。

甲社は各配信者に1か月の配信時間の目安を指示するが、
配信内容や日程については各配信者の裁量に委ねられる。

2. U氏の状況
U氏は取締役でありながらTikTokの配信者として活動する。
配信者兼役員はU氏のみ。

U氏は甲社設立前から個人の配信者としての活動実績をもつが、
現在のTikTokアカウントは甲社の設立日以後に活動開始した。
本件以外の配信活動は未確認。
TikTok配信者としては甲社専属である。
もう1名の配信者に助言したり、甲社運営の裏方的な仕事をしたりすることがある。

3. 取引・資金の流れ(画像参照)
配信者(U氏他)がTikTokでライブ配信を行う。
投げ銭額の40%をTikTokから報酬として得る。

報酬はアカウントと紐づく配信者の個人口座にドルで入金される。

各配信者の個人口座から一旦Z氏の個人口座へ資金を移し、
同額をZ氏が甲社の法人口座へ入金する。
配信者の個人口座から出金する時に円建てになる。

Z氏個人口座を経由する理由は「仕様上、配信者の
アカウントから法人口座に直接入金できないため」とのこと。

4. 現状の会計処理
甲社は法人口座に入金した全額を法人の売上として計上するとともに、
その50%を配信者に支払い、外注費として処理している。
結果、配信者がTikTokから得た報酬が50:50で甲社と配信者に按分される。
按分比について配信者間の待遇差はない。

5.その他の事項
甲社と配信者、および甲社とTikTokとの間に契約書は存在しない。

甲社はTikTokのエージェンシーではない。
甲社が動画の利用許諾の権限を有するかは明らかでない。

配信者とTikTokとの契約については不明。
ネット上でサービス規約を検索できるが、
報酬按分に係る規定は確認できない。
なお甲社はU氏に支払う報酬を現金手渡しして領収書を
受け取っているが当該領収書はインボイスの要件を満たしていない。
(税率・税額記載なし・インボイス番号なし)

【質  問】

次の4点についてご教示ください。
不足する情報がございましたらご指摘いただけますと幸いです。


【質問1】商流の捉え方について
本件の商流について、2つの解釈を想定しています。
税務上、いずれが妥当でしょうか。

他の解釈がございましたら、ご教示いただけますと幸いです。


解釈1(甲社は代理受領)
TikTokとの契約者は各配信者個人であり、
配信内容や日程について配信者の裁量の幅が
大きいことから、収入100%が配信者個人の所得となる。
甲社の収益は手数料相当の50%部分のみであり、
配信者への50%の支払は費用ではなく預り金の返還となる。


解釈2(甲が事業の主体) 甲社が管理を担うことから
法人の計算と危険において事業を営むと評価し、
TikTokからの収入の100%が甲社の売上となり、
50%の支払は費用(外注費または役員給与)となる。


現状の経理処理は解釈2を甲社が自認したものという認識ですが、
(ⅰ)TikTokとの契約主体が各配信者であること、
(ⅱ)入金先が各配信者の個人口座であること、
(ⅲ)甲社がコンテンツの利用許諾を行っている事実を確認できないことから、
実態は解釈1に近いと考えております。


【質問2】外注費処理の可否
仮に、商流について解釈2のように捉える場合、
役員でもあるU氏への支払について、現状どおり外注費処理することは認められるでしょうか。

商流を解釈1のように捉えるなら預り金の返還であり、
役員給与か否かの問題は生じないと考えます。
他方、解釈2のように捉える場合、U氏への支払いは
役員給与に該当する可能性があり、
定期同額給与・事前確定届出給与のいずれにも
該当しないため損金不算入となることを懸念しております。


【質問3】
解釈1に立つ場合、甲社の売上計上額を
消費税の課税売上としてよいでしょうか。


【質問4】
解釈2に立つ場合、TikTokからの収入は
甲社において消費税課税対象外としてよいでしょうか。

【参考条文・通達・URL等】

法人税法11条(実質所得者課税の原則)
所得税法12条(実質所得者課税の原則)
法人税法34条1項・2項、同条6項
消費税法2条1項8号の3(電気通信利用役務の提供)
消費税法4条1項・3項3号(課税の対象・内外判定)
消費税法30条1項・7項(仕入税額控除、帳簿および請求書等の保存)
消費税法基本通達1-1-1(個人事業者と給与所得者の区分)
裁決例
令和7年1月8日裁決(東裁(諸)令6第101号)
税務通信3908号(令和8年7月13日)25頁「実例から学ぶ税務の核心 第120回 動画配信収益の消費税課否区分について国内取引とされた事案」
https://www.tiktok.com/legal/page/row/terms-of-service/ja
https://www.tiktok.com/live/creator-networks/ja-JP

【添付資料】

https://kachiel.jp/sharefile/sougosoudan/260806_1.png
https://kachiel.jp/sharefile/sougosoudan/260806_2.png
https://kachiel.jp/sharefile/sougosoudan/260806_3.png



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