[soudan 16649] 1つの収用事業で2か所収用があった場合の課税関係
2026年1月05日

税務相互相談会の皆さん

下記について教えて下さい。


【税  目】

所得税<譲渡所得>(石田 一弘税理士)


【対象顧客】

個人


【前  提】

(1)居住者Sは、昨年、市の道路拡幅事業(以下「当該事業」という)に伴い、

当該事業の対象となった通り沿いにあった店舗及び店舗の敷地(以下「A対象地」という)、

居宅兼店舗及び居宅兼店舗の敷地(以下「B対象地」という)の2か所を同時に収用買取りされました。

なお、買取り等の申出日は買取申出証明書に令和7年6月10日と記載されました。


(2)土地売買契約書の日付は令和7年6月10日で、

当該土地売買契約書の条文には所有権の移転時期について

「この契約の締結と同時に移転するものとする。」と記載され、

A対象地、B対象地両方とも全く同じ記載でした。

登記事項証明書で所有権移転日は令和7年6月10日と記載されております。


(3)A対象地の敷地上にある建物及び工作物については、年内に全て取壊し済みです。


(4)B対象地の敷地上にある建物及び工作物(物置、井戸、コンクリート叩き等の構築物)については、

令和7年末においても居住している家屋の敷地のため、

令和8年中にA対象地及び収用後に購入したA対象地の隣地の敷地に、

Sの住居兼Sの子Tが営業する予定の店舗として店舗兼住宅を建築して、

引っ越し後にB対象地上の建物及び工作物を取壊ししてから市に引き渡しをする予定です。

なお、子TはSと生計を一つにしておりません。


(5)補償金の内訳はA、B対象地に共通して以下の①から⑥があり、

別途B対象地のみ⑦の残地補償金があります。

①宅地

②建物移転補償(建物は取壊しします。)

③工作物移転補償(建物以外に存する構築物の撤去費用)

④動産移転補償(引っ越しをするための費用)

⑤移転雑費補償(移転先の選定に要する費用など)

⑥営業補償(移転に伴う営業休止期間に要する費用、但し、令和7年8月末に廃業)

⑦残地補償(B対象地のみ)


(6)B対象地に対する補償金のうち残地補償金以外の支払は、

令和7年の契約締結後に70%、令和8年に建物取壊しをして引渡しをした後で

補償金のうちの残金30%を支払うこととなっています。


【質  問】

(1)特別控除を選択する場合の買取り等の申出から

6ヶ月以内の要件に合致しているか否か

 本件の場合、買取り等の申出日と所有権移転日が同一であることから

6ヶ月以内の譲渡ということになると理解してよいでしょうか。


(2)2か所とも令和7年分の申告でよいかどうか

 2か所のうち、B対象地は新居が建築されるまで居住しているので、

立退きして引渡しをするのは令和8年(引き渡し後に残金3割が支払われる)

になりますが、A対象地、B対象地両方ともに契約日が所有権移転日なので、

A対象地、B対象地両方ともに令和7年分の申告することで税務上問題ないでしょうか。


(3)2か所同年に譲渡した場合の特別控除、代替資産の買換えの選択について

 B対象地は、令和8年に立退きをするので、建物取壊し費用などの

立ち退き費用も金額が確定しておらず、譲渡所得の申告をするにあたり、

譲渡経費が計上できないことから、結果的に特別控除でなく代替資産の

買換えを選択せざるを得ないと思うのですが、その場合A対象地も

代替資産の買換えを選択することになると考えますが、

A対象地、B対象地共に特別控除を選択することは可能でしょうか。


(4)店舗兼住宅の譲渡の場合に居住用部分は居住用財産の特別控除、

店舗部分は収用等の特例の適用をすることの可否

 店舗兼住宅を収用されておりますが、措置法通達33-42のとおり

建物の平面図にて居住部分、店舗部分及び居住及び店舗共用部分に分けて、

居住部分の面積と店舗部分の面積の按分割合を算出して、その割合に基づき、

土地、建物の収用補償金、取得価額、経費を按分した場合に、

居住用部分の床面積割合に対応する部分の所得金額は居住用3,000万円控除を適用し、

店舗部分の有価面積割合に対応する部分の所得金額は

収用の特例を適用することができますか。


(5)残地補償に対する取得費に概算取得費を適用することの可否

 B対象地の残地補償は対価補償金となります(措通33-16)が、

概算取得費を適用することは可能でしょうか。


(6)対価補償金の申告の際の組み合わせによる譲渡所得の計算について

 対価補償金の対象となる譲渡資産が1つの収用で複数なので、

一組法により次のように考えましたが、税務上問題があるかどうかご教示ください。

措令22⑤、措置法通達33-39


①A対象地、B対象地両方の土地、建物、工作物に対する補償金を一組とし、

A対象地の隣地の取得価額及びA対象地とその隣地に建築する居宅兼店舗の

建築費の見積取得価額を代替資産とする。


②B対象地の残地補償金は代替資産の取得がなく、

上記(6)①で代替資産の特例を選択する場合には特別控除は選択できないので、

収用の特例を適用せずに補償金から取得費及び必要経費を控除して譲渡所得を計算する。


(7)工作物移転補償の所得区分について

 工作物移転補償については、建物と一緒に取壊して撤去するので、

建物の移転補償と一緒に分離譲渡所得を計算することになるのでしょうか。

それとも、総合課税の譲渡所得となるのでしょうか。


(8)営業補償金の所得区分

 営業休止期間の補償として補償金を受領しておりますが、

令和7年8月末で廃業しているため休止ではありません。

営業を廃止していても営業補償なので事業所得の収入に算入することになりますか。


【参考条文・通達・URL等】

措通33-42、措通33-16、措令22⑤、措通33-39他



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