[soudan 16584] 国内に本店を有さないが、国内に本店を有する100%子会社を有する法人に対する役務の提供が消費税の免税の対象になるか
2025年12月22日

税務相互相談会の皆さん

下記について教えて下さい。


【税  目】

消費税(金井恵美子税理士)


【対象顧客】


法人


【前  提】

・A社は、本店所在地が国外であり、本店所在地が日本国内にある

A社の100%子会社B社はあるが、B社以外のA社固有の支店、

出張所その他の事務所は日本国内になく、A社によれば

OECDモデル条約・所得税法・法人税法における

A社の恒久的施設(PE)はないとのことである。


・本店所在地が日本国内にある消費税の課税事業者であるD社は、

A社グループの組織上はB社と別「division」に帰属するA社の

新技術開発部門に対して試験研究業務(無体財産権等の成果物はA社帰属)の

役務提供を行うことになり、B社は試験研究業務に直接的には関与しないが、

間接的に試験研究業務で使用する原料の輸入の事務処理に関与する見込みである。


・A社は、当該試験研究業務は、日本の消費税につき輸出免税の取引にあたり、

D社に支払う報酬につき消費税は加算されるべきでないと主張している。


【質  問】


・非居住者に対する役務の提供で、国内において直接便益を享受しないものは、

輸出免税の対象となります(消費税施行令17条2項7号)。


・D社の試験研究業務の役務提供は、実態として、金井恵美子先生の

「令和7年11月改訂プロフェッショナル消費税の実務」P315記載の

「免税となるものの例」の「情報提供」や「ソフトウェアの開発」に

近いものであると解されます。


・そして、国内に本店を有さないが国内に支店、出張所その他の事務所を

有する法人に対して役務の提供を行った場合には、国内の支店、

出張所その他の事務所を経由して役務の提供を行ったことになりますが、


 次の(1)(2)の要件の全てを満たす場合には、非居住者に対するものとして

取り扱って差し支えないとされます(消費税法基本通達7-2-17)。

 (1)役務の提供が非居住者の国外の本店等との直接取引であり、

その非居住者の国内の支店又は出張所等はこの役務の提供に

直接的にも間接的にもかかわっていないこと

 (2)役務の提供を受ける非居住者の国内の支店又は出張所等の業務は、

その役務の提供に係る業務と同種、あるいは関連する業務でないこと


・OECDモデル条約によれば、一方の締約国の居住者である法人が、

他方の締約国の居住者である法人を支配している、または支配されている

という事実のみによって、いずれの一方の法人も、

他方の法人のPEとみなされることはありませんが、

野田秀樹「Q&Aクロスボーダー取引におけるPE課税の実務」Kindle 版 P117によれば、

内国法人である子法人が日本国内にオフィスビルを保有しており、

当該オ フィスビルにおいて、親法人は自己の事業を自由に行うことができる場合、

そのビルは親法人の事業所PE に該当し、また、子法人が契約締結代理人の

条件を満たす場合、独立代理人に該当しない限り、子法人が親法人のために行う

活動について親法人は代理人PE を有しているとみなされると解されるようです。


・消費税においては恒久的施設(PE)の概念は直接関係ないとは思いますが、

A社と別法人であるB社が実態として、OECDモデル条約・所得税法・法人税法における

A社の恒久的施設(PE)に該当しないという状態であれば、A社は

消費税法基本通達7-2-17の国内に本店を有さないが国内に支店、

出張所その他の事務所を有する法人には該当せず、D社のA社に対する

試験研究業務の役務提供は、A社の主張のとおり輸出免税取引と

解すべきということでよろしいでしょうか?


【参考条文・通達・URL等】

消費税施行令17条2項7号

消費税法基本通達7-2-17

金井恵美子「令和7年11月改訂プロフェッショナル消費税の実務」(2025年)P315

野田秀樹「Q&Aクロスボーダー取引におけるPE課税の実務」(2020年)Kindle 版 P117




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